
商談は「金額」で握り、受発注には「ケース(箱)数」で伝え、店舗では「個(食)数」で語る。
あなたは、この3つの単位を瞬時に使い分けることができるだろうか?
「数字に強い」とは、暗算が早いことではない。 相手が普段使っている単位に合わせて、数字を「翻訳」できるスピードのことだ。
経験を積めば当たり前のことだが、多くの若手営業担当者はこの翻訳が苦手だ。
例えば、店舗の担当者に「この商品は全店で月間3,000万円売れます」と熱弁しても、現場はピンとこない。 また、商談中にバイヤーから「で、それって何ケース発注すればいいの?」と聞かれ、慌てて電卓アプリを探しているようでは信頼は勝ち得ない。
なぜなら、相手によって使用している単位が異なるからだ。
店舗が知りたいのは金額だけではない。「週に何個売れるのか?」「1日何回補充が必要なのか?」という、現場で求められる物理的な量(個数)だ。
逆に、バイヤーに「次の特売で1,000ケース発注してください」とだけ伝えても響かない。 彼らの脳内にあるのは「担当カテゴリーの予算(金額)」であり、彼らの評価は「売上や粗利」で決まるからだ。ケース数は、その結果に過ぎない。
単位を変えて考えられるようになろう
優れた営業は単位を変えて自由に考えることができる。
・バイヤー = 「売上金額・粗利額」という単位
・受発注 = 「ケース(箱)数」という単位
・店舗 = 「販売個数」という単位
もしあなたが、どの相手にも同じ単位で話しているとしたら?相手からすれば、自分たちと同じ言語(単位)を使わない、別の世界の人と写ってしまい、相手との距離がなかなか縮まらなくなる一因となるだろう。社外だけでなく、社内調整もスムーズに進むはずがない。
今日から、商談の前に自問してほしい。 「商談で目標としている金額は、何ケースにあたるのか、1店舗あたり何個販売すれば達成することができるのか?」と。
この意識を持つだけで、あなたの数字に対する解像度は劇的に上がる。 電卓を叩く前に、まずは「単位を変えて考えを巡らせる」ようになろう。
それが、数字を作るための第一歩だ。
次回予告
「気合いで売ってこい」は、もう通用しません。 売上が伸びない原因は、必ず「3つの要素」のどこかにあります。 精神論を卒業し、売上を「数式」で設計するための思考法を解説します。