
PDCAを回し続ける。それが止まった瞬間、営業は「御用聞き」になる。
ここまで「数字の作り方」を話してきた。 単位を変え、ブロックに分解し、未来を設計し、数字(POS)と売場で答え合わせをする。
この一連の動きこそが、PDCAサイクルだ。 しかし、多くの営業担当者は「P(提案)」と「D(納品)」だけで仕事を終えてしまう。 「提案しました、納品しました、以上終わり。」 これでは営業ではない。ただの御用聞きだ。
数字に強い営業と、そうでない営業の決定的な差はどこにあるか? それは「C(検証)」と「A(改善)」の実行度合いにある。
あなたは、提案しっぱなし、企画を入れっぱなしにしていないか?
バイヤーと卸を巻き込んでPDCAを回す
第5回で触れた「AAR(振り返り)」を思い出してほしい。 自分の商談を内省するだけでなく、バイヤーや卸担当者を巻き込んで検証を行うのだ。
「あの企画、なぜ売れなかったのか一緒に考えましょう」 「次はこう修正しましょう」
そうやって相手を巻き込み、PDCAサイクルを回し続けることこそが、あなたの最大の差別化要因になる。 なぜなら、ほとんどの競合他社は「やりっぱなし」で満足しているからだ。
PDCAは、賢さではなく「習慣」だ。 息をするように検証し、改善する。
最初は面倒くさいと思うかもしれない。 実際、多くの営業が面倒だからやらないのだ。
だが、このサイクルを止めてしまった瞬間、あなたは Some of Them(その他大勢) になってしまう。
「なぜ」を問い続けることが、プロの証明
自分はどんな数字を作りたいのか。そのために何を提案するのか。 提案の結果、なぜこの数字になったのか。 売場、売り方、情報発信に問題はなかったのか。 次回はどう改善するのか。
自分の頭で考え、数字と現場を深く理解し次につなげる。 そのサイクルの中にしか、プロとしての成長はない。
数字に強い営業とは、細かな数字すべてを蔑ろにせず、PDCAを回せる営業のことなのだ。PDCAを回し続ける。 それが、御用聞きで終わらない営業であるための証明だ。
次回予告
第10回【3つの熱意】「正論」だけでは売れない、最後に人を動かすもの
完璧な提案書を持っていても、嫌われたら売れない。ロジックは商談テーブルに着くための「最低条件」に過ぎません。最終回は、数字とロジックを超えて、バイヤーを動かす「3つの熱意」を解説します。