「800字の仕事術」新シリーズ 営業✕AI 第1話「もったいない:調べ物とメール作成だけでは、もったいない」アップしました。〜12話までAIとの付き合い方についてお送りします。お楽しみに☝️

 中級編 第10話【中長期戦略】未来を共に創る、関係構築プランの描き方

上司からの「ありがとう」は、ゴールかそれとも新たなスタートか。

三国食品の鈴木さんが提案してくれた、「半期提案の機会に3社の上司を交えて会談する」という画期的なプラン。その実現に向けて、後日藤原課長そして伊藤部長も交えて打合せを行うことになった。
プロジェクト堅牢盤石は着実にステップを進めている。

会議室に入ると伊藤部長が「おう!丸尾、座れ」と声をかけてくれた。少し緊張しながら丸尾くんは着席した。

伊藤部長は、丸尾くんのこれまでのハトー屋に対する活動について簡単に話すように促した。

前任者の佐藤さんからの引き継ぎで直面した情報共有不足という問題、山葉バイヤーとの関係構築に悩んだこと、そして鈴木さんの協力を得て今回の3社会談の場が設けられそうになっていること…。
正直に話すと、伊藤部長はとても満足そうに丸尾くんを見つめていた。

「丸尾、よくやってくれているな。ありがとう」
伊藤部長からの、温かいねぎらいの言葉だった。

部長は、チームでの取り組みを評価した後ふと自分の若い頃を思い出すような顔で続けた
「…俺が若い頃はな、こんな風にチームで考えるなんて発想もなかった。ただがむしゃらにやって大きな失敗もした。だからこそ、お前たちには同じ轍を踏んでほしくないんだ。この取り組みは、会社の未来にとって本当に重要なんだ。今回の件は、会社の体制にも問題があった中でお前が真正面から向き合ってくれたおかげでここまで来られた。感謝している。」

これまでの苦労が報われた気がして丸尾くんは胸が熱くなった。
部長は、丸尾くんだけでなく藤原課長と角井さん(残念ながらこの場にはいなかったが)の協力も大きいと言ってくれた。チームで取り組んでいることを改めて実感し、丸尾くんは心強く感じた。

「ありがとう」の先へ。信頼を勝ち取る中長期プランの描き方とは?

そこから卸の鈴木さん宛てに提出する、今回の3社会談で提案する「今後のハトー屋との対応プラン」について検討していった。単なる問題解決の報告だけでなく、ハトー屋と丸閥食品が今後どのように関係性を深めていくかという中長期的な視点に基づいた内容にする必要がある。

藤原課長は言った。
「今回のハトー屋との関係再構築は、アカウントマネジメントの実践だ。特定の重要得意先に対して、短期的な成果だけでなく、中長期的な視点でビジネスを拡大していくための戦略とプロセスを考えていくんだ」

「アカウントマネジメント…」丸尾くんは、角井さんから教わった言葉を思い出した。

「ハトー屋さんは、会社として今後どのような方向を目指しているのか、そしてその中で私たちがどのように貢献できるのか具体的なプランとして示す必要がある」

伊藤部長も続けた。「今回の件でハトー屋さんは丸閥食品に対して不信感を抱いている可能性が高い。だからこそ、私たちは真剣に彼らのビジネスに向き合い共に成長していきたいという姿勢を示すことが重要だ」

プランの内容について、藤原課長や伊藤部長から様々な意見が出た。
どのようなデータを盛り込むか、ハトー屋にとってどのようなメリットがあるかを明確にすること。そして実現可能な範囲で具体的なステップを示すこと…。議論を通じてプランの輪郭が徐々に見えてきた。

丸尾くんは、短期的な「カテゴリーPL改善」という具体的な目標と中長期的な「関係構築」というより大きな目標を結びつけて考えることの重要性を学んだ。
このプランが、ハトー屋との関係を新たなステージに進めるための重要な鍵となるのだ。

その日の夕方、事務所に戻った角井さんに丸尾くんは今日の打合せの内容を興奮気味に報告した。一通り話を聞いた角井さんは、満足そうに頷きながらも鋭い一言を付け加えた。

「素晴らしいプランね。でもそのプランをハトー屋さんに納得してもらうには、もう一つ重要なスパイスが必要よ。それは、このプランが『ハトー屋さんの戦略』と、どう結びついているかを具体的に示すこと。次のステップはそのための徹底的な情報収集ね」

角井さんの言葉に、丸尾くんは改めて兜の緒を締めた。中長期的なプラン作りはまだ始まったばかりだった。

お知らせ

 《この物語の学びを、貴社の力に》

 上司からの『ありがとう』は、ゴールではなく次のスタートです。短期の問題解決と中長期のパートナーシップを同時に設計できるチームが、得意先から本当に頼られる存在になります。貴社の営業マネージャーは、担当者と共に中長期の関係構築プランを描けていますか。」

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この物語の続きは、書籍でお楽しみいただけます。

引き継ぎトラブル、バイヤーとの関係再構築、組織を動かす卸連携、そして上層部を巻き込んだトッププレゼン。丸尾くんが担当した本部で直面したリアルな壁とチームで乗り越えるプロセスを、物語を通じて体系的に学べる一冊です。

アカウントマネジメントの考え方と実践プロセスが、現場で即活かせる形で凝縮されています。

次回予告

卸の鈴木さんとの3社会談に向けたプラン作りが進む。プランをより強固にするために、ハトー屋に関する徹底的な情報収集を開始! 公開情報から見えてくるハトー屋の戦略とは? そして、まだ見えないハトー屋の「困りごと」を探るための次のステップが見えてくる!

次回、「【情報分析】公開情報から読み解く!得意先の真の戦略」お楽しみに!