
商談では、商品を売り込まずに課題を解決しろ?
「おはようございます!」
やや眠い目をこすりながら、丸尾くんは事務所に到着しました。
既に角井さんは、パソコンに向かい仕事を始めています。
「おはよう、丸尾くん。今日も一日頑張りましょう」
角井さんは、いつものように明るい笑顔で挨拶を返しました。

午前中は事務作業です。
慣れないシステム操作や、書類作成に悪戦苦闘する丸尾くん。
これも業務の1つなのか・・・。
午後は、角井さんと一緒に店舗調査へ。得意先であるハッピーチェーンではなく、
競合である全国チェーン「オーイン」の新店がオープンしたため、視察に行くことになりました。
クルマに乗り込むと、角井さんは営業活動の現状について語り始めました。
「丸尾くん、需要と供給の関係って知っているでしょ?」
「えっと、はい…。」
「需要が供給を上回っていた時代は、商品を売り込めば、簡単に買ってもらえた。需要と供給が均衡してきても、大手チェーンの出店拡大が続いていたから、メーカーも大手チェーンに商品を並べられれば、ある程度の売上は確保できたの。」
なぜ「売り込むだけ」の営業は通用しないのか?
「でも、今は状況が違う。供給過多の時代。大手チェーンも過剰出店気味で出店ペースが鈍化している。
消費者の購買力も低下している。こんな時代に、丸尾くんは、どんな営業をする?」

角井さんからの突然の質問に、丸尾くんは戸惑います。
「それでも…買ってもらえるように…頑張ります!」
精一杯の答えが、これでした。
「ハハハ、いいね。その意気よ! でも、私が聞きたいのは、 どう頑張るか、何を頑張るかってことよ」
「……」
丸尾くんは、恥ずかしさで顔を赤らめ、俯いてしまいました。
角井さんは、優しく微笑みながら、話を続けます。
「今の時代、バイヤーはどうすれば売れるのかを常に考えている。
出店ペースが落ちていく中で、既存店の売上拡大が、各チェーンの成長戦略の中心になっている。
その結果、大手チェーン同士の競争が激化しているわ。」
これからの時代に必須の「提案型営業」とは

「メーカーである私たちも、ただ商品を売り込むだけでは不十分。 バイヤーのニーズに応えるプランを提供しなければ、商談は上手くいかない。どうすれば売れるようになるのか? 売れない原因はどこにあるのか?
それを客観的に分析し、バイヤーの課題を解決するための解決策を提案する。それが、提案型営業 なの。」
角井さんの説明に、丸尾くんは大きく頷きました。
「なるほど…だから、売場で問題点や成功事例を把握することが重要なんですね!」
営業だけど、売り込まないで課題を解決するのか・・・
前回の店舗訪問の目的が、腑に落ちつつも新たな疑問が湧いてきます。
ここで質問です。
あなたはなぜ提案型営業が必要なのか、きちんと説明できますか?
実務でどう提案型営業を進めるのか、丸尾くんにはまだ全く見当がつきません。
「提案型営業のやり方については、また今度きちんと説明するわね」
角井さんの言葉に、少し安心する丸尾くん。
クルマは、全国チェーン「オーイン」の新店に到着しました。
《この物語の学びを、貴社の力に》
「売り込む」から「課題を解決する」へ。角井さんが丸尾くんに語った思考の転換は、供給過多の時代に生き残るための必須スキルです。貴社の営業担当者は、バイヤーの課題を言語化し、解決策を提案できているでしょうか。「御用聞き」から「相談される営業」への進化を、現場で実践できる形でサポートします。
丸尾くんと一緒に、もっと深く学びたいあなたへ
この物語の続きは、書籍でお楽しみいただけます。
丸尾くんが現場でぶつかるリアルな壁と、角井さんの的確なアドバイス。物語を通じて、食品メーカー営業の基本から実践までを体系的に学べる一冊です。
日々の商談準備、ストアチェック、提案書作成、ラップアップまで、現場で即使えるノウハウが凝縮されています。
次回予告
提案型営業の重要性を理解した丸尾くん。しかし、その「提案」の質を左右する、情報戦がすでに始まっていることを、彼はまだ知らなかった。競合店の売場に隠された情報を制する者だけが、商談を制する。角井さんが次に教える「ストアコンパリゾン」とは?
