「800字の仕事術」新シリーズ 営業✕AI 第1話「もったいない:調べ物とメール作成だけでは、もったいない」アップしました。〜12話までAIとの付き合い方についてお送りします。お楽しみに☝️

中級編 第4話【商談トラブル対応力】進行中の商談情報の伝達ミスはなぜ発生した?

あなたは、引き継ぎに不十分な点があった時にどのように対処しますか?

ハトー屋を含む主要な取引先への引き継ぎを終えた。新しい環境に慣れる間もなく、いよいよ丸尾くん一人でハトー屋との取引が始まる。改めてアポイントをお願いしていた山葉バイヤーとの初回訪問の日がやってきた。

今日は初回の訪問のため藤原課長とハトー屋の本部に向かう。山葉バイヤーとの商談ブースに通される。バイヤーと向き合う初めての単独商談だ。背筋が伸びる。
簡単な挨拶を終えると、山葉バイヤーから予想もしなかった質問が出た。「早速ですが、前回佐藤さんとお話しした秋のキャンペーンの件、その後検討状況はいかがですか?」

初回訪問で明らかになる引き継ぎの「抜け漏れ」リスク

「え…、秋のキャンペーン…ですか?」丸尾くんは困惑した。佐藤さんから「商談途中」とは聞いていたが、その後の引き継ぎでバタバタしてしまい、具体的な内容についての引き継ぎを受けていなかった。

「はい。先月の商談で、10月実施予定の特別企画について、貴社で検討していただくということだったのですが…」山葉バイヤーは、少し驚いた表情で丸尾くんを見た。

その瞬間、丸尾くんは全身の血の気が引くのを感じた。頭が真っ白になり、心臓の音だけがやけに大きく響く。『まずい、最悪だ。初回から、信頼を失う…』

「申し訳ございません。佐藤の急な退職により、詳細な引き継ぎが不十分でした。確認して改めてご報告させていただけますでしょうか」藤原課長がフォローしてくれた声が、どこか遠くに聞こえた。丸尾くんは、ただ自分の準備不足と、これから始まるであろう苦難の道を思い、唇を噛みしめることしかできなかった。

山葉バイヤーは続けた。「実は他にも、新商品の導入と差し替えのタイミングについても相談中の案件がありまして…」「新商品…差し替え…」丸尾くんが受け取った引き継ぎ資料には、これらの案件についての記載がなかった。佐藤さんも時間がなかったとはいえ、重要な案件の引き継ぎが漏れていたのだ。

「佐藤さんのご事情は理解しておりますが、弊社としても計画が立てられないと困ります。」山葉バイヤーの困惑は理解できた。急な退職とはいえ、進行中の案件について何の連絡もなければ、得意先側も対応に困ってしまう。

進行中の商談が止まる、営業現場の課題と解決策

商談後、事務所に戻った藤原課長と丸尾くんは、すぐに伊藤部長に報告した。部長は、二人の話を聞いて、深刻な表情になった。「そうか…佐藤さんも急なことで大変だったと思うが、これは我々の体制にも問題があったな」

伊藤部長は、引き継ぎプロセスの不備を認めた。「急な人事異動の際の情報管理について、会社として対応を検討する必要がある」

「丸尾、申し訳ない。君には難しい状況で担当を任せることになってしまった。まずは佐藤さんに連絡を取って、進行中だった案件について確認してもらえるか」伊藤部長の指示で、丸尾くんは早速佐藤さんに電話をかけた。

「佐藤さん、お疲れさまです。丸尾です。実は今日ハトー屋さんに伺ったところ、いくつか進行中の案件について質問を受けまして…」

電話の向こうで、佐藤さんは申し訳なさそうに答えた。

「ああ、すまない。急だったから、口約束になっていた案件の整理が間に合わなかったんだ。メモを送るから、それを見て対応してもらえるか」

「はい、よろしくお願いします」

「本当に申し訳ない。君には迷惑をかけてしまった。分からないことがあれば何でも連絡してくれ」

佐藤さんの誠実な対応に、丸尾くんは救われた思いだった。

その日の夜、丸尾くんは今回の件について深く考えた。佐藤さんに悪意はなく、急な退職という事情があったとはいえ、引き継ぎの不備は得意先に迷惑をかけてしまう。自分も将来、何らかの事情で急に担当を離れることがあるかもしれない。その時に、同じような問題を起こさないためには、日頃からの情報整理と、引き継ぎしやすい資料作成が重要なのだと痛感した。

お知らせ

 《この物語の学びを、貴社の力に》

初回商談で前任者の引き継ぎミスが発覚する。得意先の信頼を失う最悪のスタートです。しかし丸尾くんが学んだのは、トラブルを隠さず誠実に向き合うことが信頼回復の第一歩だということでした。貴社の営業担当者は、トラブルが起きた時に正面から向き合えているでしょうか。

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丸尾くんと一緒に、もっと深く学びたいあなたへ

この物語の続きは、書籍でお楽しみいただけます。

引き継ぎトラブル、バイヤーとの関係再構築、組織を動かす卸連携、そして上層部を巻き込んだトッププレゼン。丸尾くんが担当した本部で直面したリアルな壁とチームで乗り越えるプロセスを、物語を通じて体系的に学べる一冊です。

アカウントマネジメントの考え方と実践プロセスが、現場で即活かせる形で凝縮されています。

次回予告

 佐藤さんからの追加情報をもとに、ハトー屋との案件整理が始まる。しかし、情報を整理する過程で、引き継ぎの課題は思った以上に深刻であることが判明する。新体制での関係構築に向けて、チーム一丸となった取り組みが始まる…!

次回、「【得意先対応強化】 戦術思考で関係再構築プロジェクトを進める」お楽しみに!