
あなたは、得意先への提案書を作る前に提案のシナリオを作っているだろうか。
商品情報の羅列だけではバイヤーを説得できない。
バイヤーが自然に同じ結論に辿り着くためには、理解の順番が重要だ。
相手の理解の順序を妨げない構成で話すとき、バイヤーは初めてわかりやすいと感じる。
しかし自分一人でシナリオを作ると、どうしても自社視点の論理になりがちだ。
「この商品はこんなに良い」
「この数字を見てほしい」
あなたの責任感と熱量が、バイヤーの理解の順序を無視した提案書の構成を生んでしまうのだ。
そこで、提案シナリオの検証にAIを活用して欲しい。
ただし提案シナリオ自体はあなたが構想するべきだ。AIに作らせてはいけない。
AIが作った提案シナリオは、あなたの得意先への理解もバイヤーとの関係性も反映されていない。
表面上は整っていても、中身が薄い。
提案の核心は、あなたが得意先と向き合ってきた経験の中にある。
まずあなたが提案シナリオを構想する。
「バイヤーは、いまこのテーマに関心があるはずだ」という仮説のもとに提案を構想する。
そして、「この順番で話せばバイヤーは納得するはずだ」という提案シナリオを作る。
シナリオはあなたが作る。AIはその精度を上げる検証役だ。
それをAIと共に検証する。
あなたが構想したシナリオをAIに渡して問いかける。
「論理の飛躍はないか」
「バイヤーが理解しにくい順序になっていないか」
「提案のどこでバイヤーから共感が得られるか」
「バイヤーが反論しそうな箇所はどこか」
AIは感情を持たないからこそ、論理の穴をフラットに指摘してくれる。
返ってきた指摘に答えながら、シナリオを修正する。それを再びAIに渡す。
この繰り返しの中で、シナリオの精度が上がっていく。
一人で考え続けると、思考は同じところをぐるぐる回る。自分の論理の穴は、自分では見えにくい。
AIという対話の相手がいると、思考が前に進む。
再度繰り返すが、提案シナリオはあなたが作る。AIはその精度を上げるための検証役だ。
この役割分担を間違えないことが、AIを提案の武器にする上で最も重要なことの一つだ。
次回予告
第5話【AIバイヤー】AIをバイヤーに仕立てて、商談ロールプレイングを実施する
上司や同僚へのロールプレイングでは、遠慮が生まれて鋭い指摘が出てこないことがある。AIは忖度しない。次回は、AIとの商談ロールプレイングで商談の弱点を潰す効果的な商談準備術を書いていく。