
あなたは、商談の時にメモを取っているだろうか。
「〇〇チェーン、新商品について商談」
「✕月の販促計画を検討してもらうことになった」
そんな走り書きのようなメモが積み重なっていないだろうか。
後で見返しても何の話だったのか何も思い出せない。
上司に報告しようとしても、何を伝えればいいかわからない。
このようなメモでは、AIに渡しても十分に分析できないだろう。走り書きのメモは、記録しているようで、何も記録していないのと同じなのだ。
メモを商談記録として活用する際に重要なのは、メモした量ではなく、メモの設計だ。
何を記録するかを決めずにメモを取ると、毎回バラバラな非定型の記録になる。
バイヤーが言った言葉をそのまま書き留めても、後で見返したときに文脈が失われている。
「価格について話した」という記録では、バイヤーがどんな文脈で価格に触れたのか、どんな表情で言ったのか、何と比較していたのかが全て抜け落ちる。記録は残っているのに、情報が残っていない。
AIと相談して、商談記録の項目を設計する
そこで、まずAIと相談して「商談データとして蓄積するために何を記録すべきか」という項目を設計する。
バイヤーの発言・反応・優先課題・懸念点・次回への宿題・商談の温度感。これらをAIに相談しながら自分の担当得意先に合わせて設計する。
定型化された項目を決めることで、メモが記録になる。記録する前に記録の設計をする。
この一手間が、蓄積の価値を何倍にも高める。設計した項目はテンプレートとして保存しておく。
商談のたびに同じ項目を埋めていく習慣が、やがて大きな資産になる。
そしてもう一つ変化が起きる。何を記録するかを意識した瞬間から、あなたの中で商談の捉え方が変わる。
「バイヤーは今日どんな言葉を使っていたか」
「何に反応して、何に反応しなかったか」
「今日の商談の温度感は先月と比べてどうか」
商談記録の項目が、商談中の観察の視点になる。
見ようとしなければ見えないものが、見えるようになる。
商談記録の設計が、商談の質を上げる。そしてその記録の蓄積が、やがてバイヤーを深く理解するための地図になる。
次回予告
第7話【言葉の奥】バイヤーの言葉の奥に、本当の課題が隠れている。
「検討します」は断りのサインかもしれない。「価格が高い」は価値が伝わっていないサインかもしれない。バイヤーは本音をそのまま言わない。次回は、商談記録をAIで分析してバイヤーの本当の課題を読み解く方法を書いていく。