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中級編 第13話【差別化提案】得意先視点で練り上げる唯一無二のプラン!

その提案、得意先目線で考えられていますか?

三国食品の鈴木さんとのヒアリングで得られた情報、特にハトー屋が川崎部長の方針として「新しいことへのチャレンジ」、そして「小商圏フォーマットづくり」を目指していること、そして元口部長からも中長期的なテーマ設定を期待されているという示唆を踏まえいよいよハトー屋への具体的な提案プランを考えることになった。

やりたいこと、ハトー屋にとってやった方が良いことはたくさんある。
カテゴリーPL改善のための売場変更や品揃え見直し、販促改善…。しかし、丸閥食品の限られたリソース(人員、時間、予算)の中で全てを実行するのは不可能だ。
効果が見込まれてかつ得意先であるハトー屋から評価されそうな内容に絞り込んでいくしかない。

会議室。ホワイトボードは無数のアイデアとキーワードで埋め尽くされていた。

「やはり、カテゴリー全体で大幅な売上アップに繋がるインパクトのある提案をすべきじゃないか?」と藤原課長が口火を切る。

しかし、角井さんは慎重だった。「いえ、まずは足元で確実に実行できてすぐに効果が見えるものから積み上げるべきではないでしょうか。今の私たちに必要なのは大きな花火ではなく確実な信頼の回復ですから」

丸尾くんもヒアリングで得た情報を元に意見を重ねる。「ハトー屋さんが今、最も困っていることは何だろう? 鈴木さんは『小商圏フォーマットづくり』を気にされていました。そこにピンポイントで応えられる提案は…?」

白熱した議論の末、チームの意見は一つの方向へと収束していった。それは「欲張らず自分たちの強みを活かし、かつハトー屋に最も喜ばれるたった一つのこと」に集中するという結論だった。

そして、彼らが選び抜いた一手。それが「ハトー屋の改装店舗について、改装前後の事前調査と事後評価を丸閥食品が定型化して実施する」というプランだった。

なぜなら、このプランこそが限られたリソースで実行可能でありハトー屋の「店舗改装」という明確な戦略に合致し、そして何より他社には真似できない丸閥食品ならではの独自の価値を提供できる唯一無二の答えだと確信したからだ。

「事後評価」までやる。その他大勢から抜け出すたった一つの付加価値

鈴木さんにこのプランを相談してみると、「商圏調査や改装店舗の売場提案を実施しているメーカーは多いけど、事後評価まで実施しているメーカーは少ないと思う。これはハトー屋さんにとっても有益な情報になるんじゃないかな」という意見をいただいた。これは、ハトー屋に対して、他社にはない独自の価値を提供できる可能性を示唆していた。

具体的な実施内容やスケジュールを固めていく作業が続いた。改装前の事前調査の方法、改装後の効果測定の指標、ハトー屋への報告書の作成方法…。角井さんの前職での経験や、以前学んだ本田先輩のデータ分析の知識を借りながら実現可能なプランを作り上げていった。

2週間ほどかけて作り上げたプランをいよいよ三国食品の元口部長と鈴木さんに対してプレゼンすることになった。これは、本番のハトー屋へのプレゼンテーションに向けた予行演習という位置づけだ。伊藤部長、藤原課長も参加してくれた。

プレゼンは緊張でカミカミの説明だった丸尾くんだがプランの内容については、元口部長や鈴木さんから「これは他メーカーにはない面白い提案だ」、「ハトー屋さんにとってもメリットが大きいだろう」と相応の評価をいただいた。

しかし、いくつかの指摘事項もあった。実施体制に関する疑問や、効果測定の方法についての質問、
そして他のカテゴリーへの展開の可能性についての言及…。
三国食品に対するプレゼンで明らかになった問題点と、元口部長、鈴木さんからのフィードバックに対応して本番のハトー屋へのプレゼンに備えることになった。

まだまだ課題はあるが、自分たちが考えたプランに手応えを感じることができた丸尾くんだった。

次回予告

いよいよハトー屋への本番プレゼン! 伊藤部長、藤原課長、そして卸の元口部長、鈴木さんも参加し、ハトー屋の川崎部長、山葉バイヤーと対峙する。緊張感が張り詰める中、丸尾くんたちの「魂のプレゼン」が始まる! 果たして、信頼回復の第一歩となるのか…!?

次回、「【トッププレゼン】覚悟を伝える、運命の商談」お楽しみに!