
商談の基本、商品説明を学ぶ 商品の価値を伝えられていますか?
配属されてから最初の1週間が過ぎました。
丸尾くんは角井さんとの同行営業や店舗訪問を通して、お客様を理解することの重要性、そして営業の奥深さを改めて実感していました。
今週は、いよいよ丸尾くんが初めて商品説明に挑戦する予定です。
相手は食品卸三国食品の山田さん。
商談内容は、新商品「大吉」の商品説明と来月の販売計画の提案です。
月曜日の朝、少し緊張しながら事務所に着くと、既に角井さんは仕事を始めていました。
「おはようございます!」
「おはよう、丸尾くん。今週は初めての商談ね。頑張って!」
角井さんは、いつものように笑顔で丸尾くんを励まします。
「はい!…でも、正直、少し不安です…」
「大丈夫よ。山田さんは良い人だし、何か困ったことがあれば、いつでも相談にのってくれるわ。」

そう言われても、初めての商談に不安は隠せない丸尾くん。
「明日の午後、三国食品の山田さんのところに、新商品『大吉』を持参して商談に行く予定だから
今日の午前中は、商品説明の練習をしましょう。」
会議室に移ると、角井さんはFABEと呼ばれる商品説明のフレームワークについて説明を始めました。
商品説明のフレームワーク「FABE」とは?

「丸尾くん、FABEって聞いたことある?」
「…いいえ、初めて聞きました」
「FABEはFeature(特徴)、Advantage(優位性)、Benefit(顧客利益)、Evidence(証拠)の4つの頭文字をとった商品説明のフレームw-アクよ」
角井さんは、ホワイトボードにFABEの文字を書きながら、説明を続けます。
「お客様は商品を購入する際に、その商品が自分にとってどんなベネフィットもたらすのかを考えて、そのベネフィットに納得したら商品を購入しているの。
FABEを使った商品分析を行うとバイヤーに対して、商品がお客様もたらすベネフィットは何か、を明確に伝えることができるのよ」
実践!「大吉」をFABEで分析する
「例えば、『大吉』の場合…丸尾くん、『大吉』の特徴は?」
「えっと…特徴は…そうですね…袋のままレンジで調理可能…調理時間が競合商品より短い…手軽に食べられる…ですか?」
「そうね。調理時間が短いという特徴は、FABEのAのAdvantage(優位性)になるの。では、なぜ調理時間が短くて済むのか知っている?」
「…そうですね…えっと…」
丸尾くんは、少し考えてから、
「たしか新しい包材…ですかね?」
「そうね、大吉は新しい包材を使用しているよね。それと具材の入れ方も工夫しているって聞いたでしょ?新しい包材や具材の入れ方の工夫が調理時間が短い要因と言えるでしょ?それがFeature(特徴)になるの。整理すると、新しい包材や具材の入れ方の工夫が調理時間を短くしているという関係になるの。」
「…えっと、大吉は新しい包材と具材の入れ方を工夫しています。
その結果、調理時間が競合品に比べて短くなっていますってこと…ですか?」
「そう!すごいじゃない。では、調理時間が短いっていうAdvantage(優位性)は、お客様にとってどのようなBenefit(顧客利益)があるかしら?」
「…えっと…帰宅したらすぐに食べられる…ですか?」
丸尾くんは自分が大吉を使っているシーンを想像しながら答えた。
「そうそう。家に帰ってすぐに食べたいというニーズを持っている人にとって、調理時間が短いという大吉のAdvantage(優位性)が、ユーザーの重要なBenefit(顧客利益)に繋がっているでしょ?お客さんは大吉を購入する際に、帰ってすぐに食べられる商品で、食べたいと思えるメニューだったから購入してくれているって訳。
お客さんは、商品の購入を通じてBenefit(顧客利益)を買ってくれているの。わかるかな?」
ここで質問です。
FABEは、ユーザーのベネフィットを明確に伝えるための強力なツールです。
あなたは、商品説明をする際にユーザーのベネフィットを説明できていますか?
なぜ「試食」だけでは不十分なのか?
「食品の営業では、バイヤーや卸のセールスに試食をしてもらうことが多いの。食べてもらえば味や食感、美味しさは伝わるんだけど、Benefit(顧客利益)は伝わらないでしょ?お客さんは、商品を使用することで得られるBenefit(顧客利益)も購入しているの。だから、自分の言葉でBenefitの説明を行うことは必須事項と言えるの。それじゃ、ここまで話した内容を踏まえて『大吉』のFABEトークを考えてみましょう」
角井さんと一緒にロールプレイング形式でFABEを使った商品説明を練習する丸尾くん。
「特徴は…」「優位性は…」「ベネフィットは…」「根拠は…」
最初はたどたどしかった説明も、徐々にスムーズになっていきました。
今回の物語で登場した「FABE分析」。その本質的な意味と、FABEシートを埋めるだけ響かないたった一つの理由について、こちらの解説ページで徹底的に掘り下げています。
《この物語の学びを、貴社の力に》
商品の「特徴」を、お客様にとっての「価値(ベネフィット)」に変換して伝える技術「FABE話法」。これは全ての営業担当者が身につけるべき営業の武器です。
貴社の営業担当者は、商品の魅力をお客様の心に響く言葉で伝えきれていますか?
私たちの提供する「実践型ソリューション営業研修」では、この「FABE話法」をロールプレイングを通じて反復練習。どんな商品でも、その価値を最大限に引き出す「伝える力」を全ての営業担当者にインストールします。
次回予告
丸尾くん、初めての商品説明へ!…の前に、角井さんとある人物の間に隠された葛藤を知ることに。一体何が?
⇒第11話「【組織運営】角井さんの挑戦!リーダーシップとは」へ進む