
あなたは、卸との事前商談を実施していますか?
ハッピーチェーンへのプレゼンテーションを前に、角井さんたちは三国食品との事前ミーティングに臨みます。
「丸尾くん、事前商談は初めてよね。事前商談は丸閥食品を担当している卸(これを帳合といいます)と提案内容や方向性について事前にすり合わせるために実施するの。
今日は、正和支店長も同席してくれるから、しっかり見て、聞いて学んでね。」
角井さんは、丸尾くんに優しく声をかけました。
ミーティングルームに入ると、三国食品の営業担当者、山田さんと、山田さんの上司である岩木部長が出迎えてくれました。
プレゼンの成否を左右する「事前商談」とは
「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます」
正和支店長は、深々と頭を下げ、挨拶をしました。
今回の事前商談のテーマは、ハッピーチェーンの新店舗向け棚割り提案を三国食品に説明し、
理解と協力を得ることです。
角井さんは、事前に作成・共有しておいた資料をプロジェクターを投影しながら説明を始めました。

「今回の新店棚割り提案のポイントは…」
角井さんは、ポイントを簡素に説明し、データと画像を使って三国食品の2人を説得していきます。
一通りの説明が終わると、山田さんからいくつかの質問とアドバイスがありました。
角井さんは、丁寧に一つひとつに回答し、必要な修正ポイントをメモしていきます。
「…以上で今回のご説明を終わります。その他ご質問はございますか?」
「いえ、特にありません。素晴らしい提案だと思います」
山田さんは、笑顔で答えました。
その後、プレゼンテーション当日の流れや参加者の確認などを行い、事前商談はスムーズに進んでいきます。
信頼関係が引き出す、価値ある「生きた情報」
「ところで、ハッピーチェーンの最近の業績はどうですか?」
正和支店長が、岩木部長に尋ねました。
「そうですね…」
岩木部長は、ハッピーチェーンの現場や問題点を説明し始めました。
ハッピーチェーンの最新の方針や詳細な販売実績など 丸閥食品では入手できていない貴重な情報ばかりでした。
丸尾くんは、正和支店長と岩木部長が、ビジネス上の関係を超えた信頼関係があることに気づきました。
正和支店長は、長年三国食品を担当しており、この部長とも長年の親交があり定期的に情報交換をしている間柄のようです。
事前商談が終了した後、角井さんは、丸尾くんに卸売業者の重要性を改めて説明しました。

なぜ、卸はビジネスパートナーなのか
「丸尾くん、卸は、メーカーよりも広い商品カテゴリーで取引をしていて、得意先との接点の数も接触頻度もとても多いの。だから、卸の人たちは、私たちよりも豊富な情報を持っている価値あるビジネスパートナーなの。
チェーンのバイヤーとも強い関係を築いている事も多いから、卸の協力を得ることが商談の成否に不可欠なの」
「但し、卸にも戦略や方針があるから、事前に彼らに提案内容を説明し理解と合意を得ておくことが商談やプレゼンを上手に進めるためのポイントってこと。
だから、定期的な訪問と情報交換を通じて普段からいい関係を築いていくことが重要よ」
角井さんの言葉に、丸尾くんは深く頷きました。
新入社員研修では流通チャネルにおける卸売業者の位置づけや役割については学んだものの、
実務における重要性までは理解していませんでした。
ここで質問です。
あなたのビジネスの成功に、卸との良好な関係は不可欠です。
あなたは卸と良好な関係を築くために普段から心がけていることはありますか?
《この物語の学びを、貴社の力に》
メーカーにとって、卸は単なる「流通業者」ではなく最も重要な「ビジネスパートナー」です。正和支店長が見せたように上層部との信頼関係は、お金では買えない貴重な情報資産となります。
貴社の営業マネージャーは、担当者任せにせず組織として卸との戦略的な関係を構築できていますか?
私たちの「営業マネジメント研修」では、担当者レベルの商談管理だけでなく重要なパートナーといかにして組織的な信頼関係を築きチーム全体の成果に繋げていくかというより高い視座のマネジメントスキルを指導します。
次回予告
いよいよハッピーチェーンでのプレゼンテーション当日!
万全の準備で臨んだ角井さんたちですが、予想外の出来事が…!?