25年の営業支援実績から生まれたコラムシリーズ。現場で今日から使えるヒントを800字に凝縮した「 800字の仕事術 」。現在、第3シリーズ「提案書作成術」について解説しています!  提案書作成術 第2話 「PREPは話し方ではない?提案を構造化するセルフチェック術」 アップしました。

営業✕AI 第11話【商談の検証】採用されなかった理由を、AIバイヤーと解剖してみる

あなたは、提案が採用されなかったとき、どう振り返っているだろうか。

「価格が高かった」

「タイミングが悪かった」

「競合メーカーが強かった」

そう結論づけて終わらせて、次に進んでいないだろうか。

それでは同じ失敗を繰り返す。

重要なのはなぜダメだったかではない。どうすれば採用されたかを考えることだ。

不採用の理由の検証を始める前に、AIバイヤーに新しい情報をインプットする。

商談記録だけでは見えない情報が外部にある。

競合他社が同じバイヤーにどんな提案をしているか。

他メーカーの新商品情報や販促の動向。

卸の営業担当者がバイヤーから聞いた話。

得意先の売場で起きている変化。

こうした情報を意識的に集め、AIバイヤーに渡す。

情報が増えるほど、AIバイヤーはリアルに近づく。

古い情報だけで動くAIバイヤーは、現実から乖離していく。定期的に情報を更新し、AIバイヤーを常に現実に近い状態に保つことが重要だ。

「なぜ断られたか」ではなく「どうすれば採用されたか」を起点にする

準備が整ったら、採用されなかった提案を持ち込む。

ここでも問いの立て方が重要だ。「なぜ断られたのか」ではなく「どうすれば採用されたのか」を起点にする。

この違いは大きい。

前者は言い訳を探す問いになりがちだ。後者は可能性を探す問いになる。

AIバイヤーとの対話の中で、複数の方向から検証していく。

まず提案シナリオの問題だ。「バイヤーの優先課題とこの提案はどこが噛み合っていなかったか」

「論理の飛躍はどこにあったか」「どの言葉でバイヤーの関心が冷めたか」

次にタイミングの問題だ。

「そもそもこの提案を持ち込む時期は適切だったか」

「得意先の予算サイクルと合っていたか」

そして可能性の問題だ。

「そもそもこのバイヤーにこの提案が刺さる可能性はあったのか」

「自分がボタンを掛け違えたのか、それとも最初から可能性がなかったのか」

この検証を通じて、自分では見えていなかった提案の弱点が浮かび上がる。

採用されなかった経験は、最も濃い学習素材だ。

どうすれば入ったのかを考え抜いた回数が、次の提案の精度を上げていく。

次回予告  

第12話【自分を知る】内省を続けると、自分が見えてくる

AIとの対話を繰り返していく中で、あるとき気づくことがある。自分が何を大事にしているか。どんな商談に喜びを感じるか。それは勝ちパターンではない。自分の価値観であり、強みだ。次回はシリーズの総括として、AIとの対話が「あなた自身」を教えてくれる理由を書いていく。