提案書作成術 第7回 「なぜそう言うのか?バイヤーの反論を”要因分析”する技術」 アップしました。

提案書作成術 第6回 時間がない営業のための「商談の障害」特定法

集めた情報からバイヤーの反論を予測する

第5話では、PREPで具体化した「1店舗あたり6日に1個」を目指す販売プランをもとに、売場観察や商談での会話、卸の担当者から得られる現場情報から、バイヤーの懸念を予測する方法についてお話ししました。

日頃から集めている現場情報と、今回の販売プランを突き合わせることで、バイヤーから返ってくる反論を具体的に考えられるようになります。

しかし、頭の中に情報があっても、複数チェーンを担当する多忙な日常の中で、1社の商談準備に何時間も費やす余裕はありません。

そこで、限られた時間の中で、バイヤーの意思決定を阻む障害を整理するために、頭の中にシンプルな「4つの引き出し」を持ちます。

「4つの引き出し」で商談の障害を洗い出す

商談前に、今回のPREPの骨子と日頃から集めている現場情報を見ながら、バイヤーがどのような反応を示すかを、次の4つの視点で洗い出します。

1.バイヤー・得意先の要因

売上目標や担当カテゴリーの粗利が厳しく、新商品の導入や既存商品との差し替えに慎重なのではないか?

売上や粗利、売場、人手不足など、得意先が抱えている事情から反論を考えます。

2.自社(メーカー)の要因

当社の商品に十分な販売実績がないことを懸念しているのではないか?

商品の販売実績や供給体制、販促支援など、自社に対する評価や不安から反論を考えます。

3.外部環境の要因

競合メーカーが強力なリニューアル商品を投入するため、そちらを優先するのではないか?

競合メーカーや競合チェーンの動向、消費者ニーズの変化など、得意先や自社の外にある要因から反論を考えます。

4.組織・制度上の要因

競合メーカーによる上層部への営業活動によって、得意先社内で採用方針が決まっているのではないか?

得意先上層部の方針や年間契約、商談担当者だけでは変更しにくい社内事情などから反論を考えます。

最後の「組織・制度上の要因」のように、目の前の商談の伝え方を工夫するだけでは、変えることが難しい場合もあります。

自分たちの提案で対応できる問題と、今回の商談だけでは対処できないと問題を切り分けることも、限られた準備時間を有効に使うための重要な判断です。

「最大の障害」を仮説として1つに絞る

4つの引き出しから反論を洗い出したら、次のように問いかけてみます。

今回のPREPを伝えたとき、これまでに集めた現場情報から考えて、バイヤーが口にするであろう最大の不採用要因は何だろうか?

例えば、これまでの商談で、バイヤーが「人手不足で店舗のオペレーションが回らない」と話していたとします。

この情報から、

今回の販促プランを実施する際の作業負担が、最大の障害になるのではないか?

という仮説を立てられます。

ここで大切なのは、商談前に正解を言い当てることではありません。

複数の反論を並べたままにせず、今回の商談で最も大きな障害になりそうなものを、仮説として1つに絞ることです。

最大の障害を絞り込めれば、次に何を深掘りすべきかが明確になります。

すべての課題を一度に解決しようとする必要はありません。

集めた現場情報を4つの視点で整理し、バイヤーにとっての「最大の障害」を仮説として絞り込む。この準備が、バイヤーから、

この営業は、当社のことをよく分かっている。

と感じてもらえる提案書をつくるための設計図になります。

次回予告

提案書作成術 第7回:「なぜそう言うのか?バイヤーの反論を『要因分析』する技術」

バイヤーの最大の反論を予測したら、次は「なぜ、その反論が出てくるのか」を深く考えます。

次回は、バイヤーの言葉をそのまま受け取るのではなく、その裏にある本当の理由を分析し、「決めの1枚」の精度を高める方法についてお話しします。